聞き上手になる具体的方法−聞き方・話し方・心得・特訓の全13項

カウンセラーの視点, 仲良くなる心理学

聞き上手になるための方法−話し方・注意点4項

注意点1:自分が話すタイミングを見極める

話している人が話そうとしている時に、あなたが話し出してしまっては聞き上手とはいえません。

先に話出す人

話している人が一通り話しきって落ち着きがあり、あなたを伺って見えるとき、それはあなたが話す時です。

返答を差し込んだり、主張したりする前に、相手が話し終わっていることを確認してください。

会話があなたの番になるために必要な十分な時間、会話を一時停止しましょう。

よく、自分のタイミングで相手にアドバイスをしている人がいますが、自分の気持ちを吐き出せていないうちにアドバイスされても、相手はほぼ確実にアドバイスに納得できません。

相手が話し終えたか十分確認してから話すようにしましょう。

注意点2:共感や応答などで、直前の話題を完結させてから次の話をする

あなたが話す側になったとき、あなたが話したい話題に移る前に、それまで話していた話題に対する共感または応答をしましょう。

「〜だったんですね。僕も似た経験があるのですが、やっぱり〇〇さんはさすがですね。僕もそうできるように見習いたいです。」

そうして話題をきちんと終わらせてから次の話に移るのです。

「そういえば…」と

これは、相手が話した話題に対して適当な返事をして次の話題に移ってしまっては、「無視された・軽く見られた・興味がないのか」と相手を傷つけてしまう恐れがあるからです。

そして、あなたが考えを伝えた時、相手がその考えに対してなにか話したそうにしていたら、再度しっかりと相手の話を聞くようにしましょう。

相手の話に共感・応答をして話題を終わらせてから、自分の話題に移りましょう。

話し方3:自分語り・長話をしないよう、簡潔に結論のみ話す

自分の考えや話ばかりをあなたがしていては、話し相手はなにも喋ることができなくなります。

初めてのデートで上手く話せず辛い男性

 

相手の話を聞きたい時に自分が発言する時は常に簡潔に話すことを意識しましょう。

聞かれたことに対する返答や意見は結論を一言で言葉にし、それ以降の理由や説明、補足など詳細を話す必要はありません。

なぜなら、相手はその一言が重要でなければそのまま話を続けますし、詳しく聞きたければまた意見を求めてくるからです。
そのときはまた、聞かれたことに一言で答えたらいいのです。(※認識にズレがあると感じた場合のみ、手短に捕捉しましょう。
例)

相手:「(あなた)さんはこれどう思う?」

あなた:「そうですねぇ…私は〇〇だと思います。」

相手:「〇〇ってどうして?」

あなた:「△△だからですね。」

相手:「△△?」

あなた:「例えば〜だったら△△っていう感じです。」

相手:「へぇ、そうなの。私はね…」
または、相手:「へぇ、そうなんだ…」 あなた:「…(相手)さんはどう思いますか?」
沈黙を引き継ぎ、相手に話のバトンを渡す。

〜あなたの話は終了し、聞き手に戻る〜

詳しく話そうとすればするほど、話す時間が増えてしまいます。そして、あなたが話し始めては相手のテンポが乱れてしまいます。

そして、あなたの意見に相手が反発してきても「そうなんですね」と、その反発は相手の意見だとして受け止め、反論してはいけません。
反論した時点で、あなたは聞く側ではなくなるからです。

相手に質問されたときは、質問されたことに対して一言で返答しましょう。
たとえ長くとも、2〜3言、30秒以内に終わらせるようにしましょう。

話し方4:いざ話すときになった時、応答する前によく考える

あなたが、話している人の話だけを聞けているなら、あなたは自分の言いたいことを考えていないはずです。

いざあなたが話す時、すぐに答えるのではなく考える時間をもらってください。

頭の浮かぶ(〜かな)が曖昧なまま返事をするのではなく、相手に返す反応と何を伝えたいのか、励ましたいのか、寄り添いたいのか、解決策か、安心感か、何を提供したいかについて考えてみてください。

意見が求められている場合は、それまで集中して聞いた内容を慎重に検討して十分考えた後、その考えを話してください。

考えを簡潔・論理的に伝える「PREP法」

「PREP法」は、自分の意見をわかりやすく簡潔に伝えるための話し方です。
以下の順序で話していきます。

  1. Point:ポイント、結論 - 「私の意見は○○です」
  2. Reason:理由、背景 ― 「なぜなら、○○は△△だからです」(理由・ポイントが複数ある時は最初に数を伝えましょう)
  3. Exsample:具体例 ― 「たとえば・・・(事例)」
  4. Point:最初のポイントを繰り返す ― 「だから、私の意見は○○なのです」

この、「結論(言いたいことを一言で)」→「理由(その理由)」→「具体例」→「結論をもう一度(まとめ)」の順番で話すことで、意見を論理的に分かりやすく伝えることができます。

意見を聞かれた時は、十分に考えてから意見を述べるようにしましょう。

聞き上手になるための方法−心得・心構え3項

心構え1:相手を受け入れる気持ちで臨む

これからあなた(自分)は、相手の信頼と弱さを受け止める気持ちを持ちます。

あなた(自分)は、相手の気持ちを受け止める真っ白なキャンパスです。

相手の気持ちを映し出す

これから話す人の、アイデア、感情、矛盾した考え、および他のものが出てくることを、キャンパスに投げることを許可しましょう。

相手を楽しんだり怒ったり悲しんだり喜んだり、感情的であるがまま、非論理的であるがままにさせてあげましょう。

あなた(自分)は相手の思考を受け止める真っ白なキャンパスです。

心得2:自分と相手は対等だと忘れない

話を聞くあなた(自分)は、相手より偉いわけではないことを自覚しなければいけません。

誰しも、人の悩みなどを聞くと、ついつい自分がその人より偉いと感じ、助言をしてしまうことが多いです。

あなた(自分)の、これまで経験してきたことは、”あなたとあなたの置かれた環境だからそうだっただけ”ということを肝に銘じ、同じことをして他人が同じ結果になるわけではないことを理解しなければいけません。

アドバイスできるのは経験の差であり、関係性は対等だということを肝に銘じましょう。

心得3:答えは自分自身で出させる

人にアドバイスする際は、”自分はこうだった”と事実のみを伝え、最終的な決定などは相手に委ねる。

”相手が自分自身で判断し、己の中からその答えを導き出す”

アドバイスはこれを促すためのものでなければならない。

あなたが相手のためを思うのであれば、この原則を忘れてはいけません。

人に与えられたものでなく、自分で判断した答えでなければ自分の知恵にはならないのです。

そして、知恵を与えてくれる人間はとても有り難がられます。

アドバイスは経験や情報を与えるだけで、判断はその人自身にさせましょう。

心得・心構えについてより詳しく記している記事があるので、よろしければこちらも参考にされてください。

聞き上手になるための具体的な特訓例

  1. 誰でもいいので、ターゲットを設定します。
  2. そのターゲットと会話する時、挨拶を終えたらまずあなたはゆったりと構えていてください。
    すると、相手は自分からあなたに話し出すでしょう。
  3. あなたは、相手の話を素直に聞きましょう。相手の話には相づちをして、それ以外は喋りません。
    これで「相手:話す、あなた:聞く」の構図が出来上がります。
  4. 意見を聞かれた時は、自分の意見を簡潔に一行以内で答えます。答えが見つからない時は「そうだなー」と言って考えましょう。
    相手は30秒もせずに自分の意見を話したり、あなたに言って欲しい答えを提示してくるでしょう。
    (この時、できるだけ沈黙を気まずく感じさせないようしましょう)
  5. そして、この会話構図の中で、あなたが実践しようと決めた各項目を試してみましょう。

聞き上手になるための会話の練習

聞き上手になる方法−まとめ

いかがでしょうか。
聞き上手にはなれそうですか。

もし難しいと感じた方がいれば、あなたは全部完璧にできないといけないと考えているのかもしれません。

ですが、実際にはそのようなことはなく、この記事の項目の中の一つだけ選んでやってみてください。

そうすれば、あなたはもうすでに”それをやる前のあなた”よりも素晴らしい聞き上手になっているのです。

聞き上手に”完成形”はありません。

人の話を聞こうと意識した分だけ、あなたはあなた独自の聞き上手になるのです。

そして、一つずつできてくると、連鎖して他のことも一緒にできるようになっていきます。
これは、相手に意識を集中して会話をすることで、聞き上手の姿勢が身についていくからです。

話に集中していれば、わからないことがでてきます。
それを質問します。
理解できたら自然と相づちを打つようになってくるでしょう。
そうすると話の内容と一緒に、その人がどう考えて感じているのかもわかってきます。
相手の気持ちがわかれば、それについて共感もできます。

話をよく理解できるようになると、時には違和感を感じるようになるでしょう。
その違和感は、話の内容か、もしくは話している人に対してか。
そこで、今度はその人の表情・仕草に目を向けます。
話していることと、動かしている身体に矛盾を感じたら、その矛盾がどこにあるのか話の中から探ることもできます。

聞き上手になるということは、突き詰めていくと相手の思考を知ることに繋がります。

もちろん、そのためには時間をかけて技術を磨くか、特別な訓練をする必要がありますが、まずは一つずつでも生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

ここまで読まれた方でしたら、聞き上手な人が多くの人から好意的に見られ、信頼される理由が理解できるかと思います。

また、聞き上手になると多くのストレスなどとも上手く付き合うことができるようになるので、毎日が今より明るく楽になるかもしれません。

いずれにせよ、この記事があなたの人生を少しでも豊かにできたなら幸いです。

『プロのカウンセラーの聞く技術』は聞くということに特化した大変有益な本です。
この本に書かれていることを1つずつコミュニケーションに取り入れていくことで、誰とでも一定値まで仲良くなることができるようになります。
また、内容もわかりやすく読みやすいので、すぐにでも実践できます。
聞き上手になりたい方はぜひ一度本書を手にとってみてください。Kindleでも読むことができます。

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