芸術療法の効果・メリット・種類と導入の注意点|カウンセリング

カウンセラーの視点

芸術療法とは

芸術療法とは、人間の「表現する・造形する」欲求をベースにした心理療法です。

私たちは、幼い頃から、お絵かき・砂遊び・粘土遊び・ごっこ遊びなど、様々な表現・造形活動を通して成長してきました。
大人になって得意不得意が出てきたとしても、もともとの「表現する・造形する」欲求を持っています。

芸術療法は、こうした表現・造形活動を通じて人の精神的な苦しみなどを癒していく試みで、精神科現場に留まらず幅広いフィールドで用いられています。

芸術療法の効果・メリット

芸術療法は、言葉ではなく非言語的な表現を軸にカウセリングが進められます。

そのため、言葉だけでは表現しきれない心的内容、つまり心の状態を表現を通して自分の外に出すことで、これまで無意識の中に眠っていた感情に気づくことができ、心がスッキリするカタルシス効果を得ることができます。

※カタルシス効果
カタルシス効果 精神分析で、抑圧された感情や体験を言葉や行動として外部に表出して、心の緊張を解消すること。
心の中に解消されないで残っていたある気持ちが、何かをきっかけにして一気に取り除かれること。

また、クライアントが話をすることも辛い状態の時などに、非言語カウンセリングとして用いることができます。

そのほか、クライアントとカウンセラーの間にある緊張を緩め、交流を和やかに変える効果があったり、クライアントの気分転換にもなります。

心の浄化作用

芸術療法の種類

芸術療法には様々な技法があり、それぞれ独自に発展しているため実施の内容には大きく違いがあります。
次に、有名な芸術療法の種類を4つほど見てみましょう。

絵画療法

を描いて自己表現をしてもらい、この作品イメージをもとにして行う精神療法で、芸術療法の中でも歴史が古く、医学的にも評価が高まっている。

音楽療法

音楽の持つ特性を活用するプログラムを通してリハビリテーションを行うこと。
健康の維持、心身の障害の機能回復、生活の質の向上、問題行動の改善などを目的に行われ、音楽を聴いたり、リズムを上手く利用し、心の状態を安定させる方法。

造形療法(粘土・陶器)

物を作り上げ、形作ることによってカタルシス効果を得たり、自己の内面の気づきを促す方法。

ダンス療法

心と体は一つという考えに基づき、動きを通して身体から精神へとアプローチする方法。

芸術療法を用いたカウンセリングの注意点

芸術療法は準備などが簡単なため、気軽に導入できそうに思えますが、あくまで心理療法であるということを忘れてはいけません。
次に、芸術療法の注意点を説明していきます。

芸術療法を導入する前の注意点

芸術療法は気軽に行えるようでいて、その効果は時として非常に強いものになります。
そのため、カウンセラーとクライアントの安定した信頼関係が築けるまで、実施してはいけません。

なぜなら、なにかあった時に信頼関係が築けていなければ声が届かず、関係性も崩れてしまうからです。
なにより、クライアントの心が深く傷ついてしまう危険があります。

芸術療法では、クライアントが今まで気が付かなかったものにいきなり直面し、過剰に心理的負担がかかり、状態が悪化することもあります。

クライアントが自分自身の内面に向き合うのを躊躇したり、表現・造形活動そのものに強い苦手意識を持つときには、導入するのは避けるようにしましょう。

実際に芸術療法を導入する前に確認すること

1.クライアントの現実認識能力がしっかりしているか

クライアントに現実と空想の区別ができていない場合は、描いた絵と現実を混同して考えてしまい、症状を悪化させてしまったり、混乱させてしまう恐れがあるため、現実と空想の区別ができるかどうかを判断して実施する必要があります。

2.クライアントの好みや意思の把握

芸術療法を実施する上で、クライアントがどのような活動を好むか把握したのちに、実施する芸術療法を決める必要がある。
クライアントがやりたいかどうかが大切です。

実施される方の健康状態・仕草・声・表情など、会話と観察を通してそれをしっかりと見極めましょう。

3、芸術療法を実施する意味・目的の明確化

この芸術療法を実施する意味を分かりやすく伝えて、それをクライアントに理解してもらい、その上で実施するかどうか判断してもらう必要があります。
目的を明確にし、それに沿って実施しなければ、何のためにやっているのか分からなくなってしまったり、ただ時間を無駄にしてしまう恐れがあります。

芸術療法導入前の注意確認

カウンセリング実施中の注意点

芸術療法は非言語的な表現を通して心に触れていきます。

そのため、芸術療法によって表れたもの・イメージを簡単に解釈するのではなく、様々な可能性や秘密を含んだものであると意識しながら、口で説明しきれないそれらをクライアントと一緒に話し合いながら、一緒に感じ取ろうとする姿勢が大切です。

口ではうまく伝えられないことなどになんとなく気付けることや、感じることもあるということを理解しておきましょう。

そして、あくまでも読み取れることは可能性であり、決めつけてはいけません。

まとめ

いかがでしたか。

表現・造形活動自体は誰もがやっていることでも、それを心理療法として行った時、正しい知識と準備、信頼関係がなければ効果を得るどころか、逆効果になってしまいます。

実施する方はしっかりと準備をし、会話と観察を通して今の状態を見極めてから実施するようにしてください。

また、芸術療法の中には自分の調子を確認する目的で気軽に行われるものもあるので、そういった所から馴染んでいくのもいいかもしれません。

心に触れるのは繊細なことが多いですが、それ以上に奥深く、人を成長させてくれることだと思います。

当記事が、心について考えるきっかけになれば幸いです。

ありがとうございました。

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