聞き上手になる具体的方法−聞き方・話し方・心得・特訓の全13項

カウンセラーの視点, 仲良くなる心理学

この記事では、

「聞き上手」になるための方法を紹介しています。

この方法を身につけることができた時、あなたは多くの人を惹きつけ、信頼される人になることができるでしょう。

しかし、ここに書いていることを見て、「これじゃあ会話ができない」「こちらの考えを伝えられない」と思う人もいるかもしれません。

しかし考えてみてください。

あなたはもう、”人に自分の考えを伝えること”はできるはずです。
喋り過ぎているほどに。

喋りすぎて失敗したくない

そしてこの記事の目的は、そんな”自分のおしゃべりに一旦ストップをかける考え方”、”人の話をしっかり聞く力”を身につけるためのものです。

「聞き上手」のテクニックは、常にそうしていなければならないわけではありません。

これは、「話しすぎて失敗する」「聞き上手になって人と仲良くなりたい」「なんだかあの人悩んでいるみたい…相談にのりたい」「相手の話・気持ちを聞くべき時にちゃんと聞きたい
いざそんな瞬間が来た時、その人にしっかり耳を傾けるために必要な技術です。

一つずつ、できることから試しにやってみませんか。

【本記事に関するおすすめ本を紹介】

こちらの書籍『プロのカウンセラーの聞く技術』は聞くということに特化した大変有益な本です。
私自身、この本を読んだことで人との話し方がまったく変わりました。
読んですぐに変わるというわけではありませんが、読む読まないで、人生単位でコミュニケーションに影響を受けます。

話を聞いてくれる人・居心地のいい人・気が合う人・話してて楽しい人・自分を受け入れてくれる人

聞き上手になればそんな印象を相手に持ってもらえるようになり、相手のことを知りたい時にもとても役に立ちます。

聞く技術はどんな人にも通用する便利なコミュニケーション能力です。
聞き上手になりたい方はぜひ一度本書を手にとってみてください。Kindleでも読むことができます。

それでは、これより「聞き上手」になるための具体的な方法・考え方を、一つずつ紹介していきます。

聞き上手になるための方法−聞き方・注意点6項

注意点1:気を散らさない状態にして話に集中する

話している人以外に意識が移っていては、その話を十分に集中して聞くことはできませんし、相手は話す気が削がれてしまいます。

スマホをいじりながらでは話せない

  • 人の話を聞く時には、携帯電話の電源を切り、片付けましょう。
  • コンピュータの電源を切るか、着信音や電子メールが聞こえないようにサウンドをオフにします。
  • テレビ、ラジオ、その他の邪魔になる可能性のあるデバイスの電源を切ります。
  • あなたが仕事ないし、なにか用事を行なっていた場合、相手に終わるまで待つか、話をまたの機会にしてもらってください。マルチタスクでは、集中して話が聞けません。
  • 公共な環境で誰かと一対一で話す場合は、他の人に引っ張られたり邪魔されたりしない静かな場所に離れてください。

あなたは片手間に人の話を聞くことなどできないことを肝に銘じましょう。母親からのメールを読みながら、上司の指示を同時に聞くことはできません。

聞き上手になるために、その人に十分な注意を払える環境を用意しましょう。

聞き方2:話の内容を自分の頭で整理する

人の話を聞いている時は、その話を頭の中でわかりやすく整理して、内容を理解できるように考えながら話を聞いてください。

話している内容から悩みや問題を抱えていると気づいたなら、要点を頭の中で自分の言葉に言い換えてみてください。

これらの思考は集中力を維持するのに役立つだけでなく、強制的に話している人に注意を払わせてくれます。

人の話を聞く時は、内容に対する自分の考えではなく、内容を十分理解することに集中して聞くようにしましょう。

聞き方3:話していることに関して質問する

聞き上手な人の質問には、「疑問・誤解を解消する質問」と「Yes/No以外で答えられる自由回答形式の質問」があります。

どちらも注意点として、質問が尋問にならないようにしてください。

あなたが相手の返答よりも詳しく聞きたいとしても、それは適切なタイミングで相手に負担や圧のないものでなければいけません。

「それについてもっと教えてもらえますか?」といったやんわりとした質問で、あなたの真剣さは十分に伝わります。

話の内容の疑問・誤解を理解するための確認・質問

前項では、”話の内容を理解するよう考えながら聞く”と述べましたが、そうすると当然、話の中に疑問や認識の齟齬(そご)が出てくると思います。

話に対する疑問や齟齬

それらを解消するために、確認や質問をするのです。
例)

  • 「〇〇は△△ということで大丈夫ですか?」
  • 「△△ってことですか?」
  • 「〇〇ってどういうことですか?」

発言のタイミングとしては、話が一区切りついた時が望ましいです。
どうしても話が長くなり疑問点などがうやむやになりそうなら、相手に断わって一旦話を止めてしまってから質問をしても構いません。

この話の要点は、確認や質問をすることによって「自分の話を真剣に聞いている」「理解しようとしている」「興味をもって聞いている」という印象を相手に与えられることです。

これにより相手は、安心やあなたへの信頼を感じて嬉しくなり、あなたへ好感や感謝の気持ちを抱くでしょう。

相手に好感を与えるために、話を理解するための確認や質問をしましょう。

Yes/No以外で答えられる自由回答形式(オープンクエスチョン)の質問

会話の話題を広げるにも、深めていくにしても、話す人に多く喋らせることのできる質問はとても役に立ちます。

この質問をするためのコツとして、自分の中の答え合わせをするのではなく、相手の中にある考えを聞く気持ちで質問をするとうまく質問できるでしょう。
例)

  • 「それってどういうことなのかな?」↔︎「それって〇〇ってこと?」
  • どうしてそうなったんだろうね?」↔︎「〇〇だからかな?」
  • 「へぇ、あなたはどう思う?」↔︎「〇〇だと思わない?」

逆の質問形式、答えがハイ・イイエで答えらる質問(クローズドクエスチョン)では、会話が一言の答えで終わってしまいます。
これでは、会話が広がらないためすぐに別の話題を用意しなければいけません。

相手の考えを話させるような質問をしましょう。

聞き方4:聞き上手になるための相づちの方法

聞き上手な人=相づちが上手”と言っても過言ではありません。

次に、上手な相づちの打ち方を見ていきましょう。

上手な相づちとは

相づちのレパートリーを豊富に

一つの言葉だけでも、変化に富んだ相づちを打ちましょう。

”なるほど”:「なるほど」「なぁるほど」「なるほどなるほど」「なるほどね」「なるほどねぇ」「なるほどなぁ」

”はい”:「はい」「はいそうですね」「はいはい」「はい、はい」「はぁい」「はぁ〜」「はい?」

”ええ”:「ええ」「ええ、ええ」「え、え!」「ええそう」「え…」

”そう”:「そう」「そうそう」「そうよ」「そうよ、そう」「そうなんだ」

相手の話に合わせた、変化のある相づちを打ちましょう。

相手の言葉をオウム返しする相づち

相手の話の要点をつかみ、その言葉を使って、相手を不快にしないように相づちを打ちましょう。

例えば、「昨日街で買い物してたらとんでもない事件に出くわしたんだよ!もうほんとびっくりした!…〜。」と少し興奮気味に話してきたら、あなたは「えぇ、そんなにとんでもない事件だったんだ!」とくり返します。

すると、相手はただ聞いてもらっただけでなく、話の内容と自分の心情が理解されたと感じてくれます。

オウム返しする相づちのポイントは
  • わかりやすく
  • 短く
  • 要点をつかんで
  • 相手の使った言葉で
  • バカにされたと思わせないように

相手の気持ちを的確に表した言葉で相づちを打ちましょう。

相づちのタイミングや種類

相づちのタイミングは話している人のスピードやリズムに、相づちの種類は話している人の感情の熱量(ボルテージ)に合わせる(同調することで、上手な相づちを打つことができるようになります。

相手と同じ目線・立場で話を聞く

相づちには、大きく分けて以下の種類があります。

会話のテンポを作る「促す相づち」

棒読みではなく、抑揚をつけ、会話のリズム・トーン・テンポを相手に合わせ、感情を込めた相づちを打ちましょう。

この相づちがうまく打てるようになれば、話している人は自分のペースで気持ちよく話すことができます。
例)

  • 「はいはいはい」
  • 「うんうん」
  • 「へぇー!」
  • 「おー!」

さらに慣れていくと、相手が興奮しているときにゆっくりとした相づちを打つことで相手の話を落ち着けることも、逆の相づちで会話のテンポをあげることもできます。

相づちで会話のペースをコントロールできるのです。

相手を満足させる「承認の相づち」

話している人が自分の意見を述べたときに使うのが効果的です。

この相づちは、相手に”自分の考えが認められている”という満足感を与えることができるので、より気分をよくして話してくれるでしょう。
例)

  • 「わぁ!その発想はなかったなぁ」
  • 「すごい!」
  • 「いやぁ、うまいな〇〇さん!」
  • 「いいセンスしてるね」

安心感と親しみを与える「共感の相づち」

特に、話している人の感情がこもった意見が出ているときに使うのが効果的です。

この相づちは、相手に”自分と同じ気持ちなんだ””自分だけじゃなかった””この人(あなた)とは価値観が合うかも”という感覚を与えることができるので、あなたに好感を抱かせることができます。
例)

  • 「(共感の)あぁ〜」
  • 「そうだよねぇ」
  • 「私もそう思う」
  • 「それいいよね!」

※「わかる」という相づちは使わないようにしましょう。
”わかる”というのは聞いている人の自己満足の相づちであり、言われた人は心のどこかで(そんなに軽々とわかられてたまるか)という反発を抱くからです。

”わかる”という理解は、頭の中でのみにしましょう。

話が気になると伝える「興味の相づち」

相手に”その話に興味があるよ”ということを伝えたいときに使いましょう。

この相づちによって、相手は”自分はこの話をもっとしてもいいんだ”と安心することができ、話している内容についてより深く、自信をもって話すことができます。
例)

  • 「本当に!?」
  • 「それで、どうなったの(どうしたの)?」
  • 「へぇ!それでそれで?」
  • 「そんなの初めて聞いたよ!」

色々な相づち・自分に合った相づちを試してみましょう。

聞き方5:相手の立場に立って共感する

ボクシングの試合を見て体に力が入るように、テレビのメロドラマでヒロインからもらい泣きするように、相手の話に全身で共感しましょう。

一緒の気持ちで話を聞く

共感の例)

  • ”聞いているよ”と示すために頷き、話している人に前かがみになります。
  • 話の内容に微笑んだり、深刻な顔をしたりします。
  • 声のトーン・声量を相手とシンクロさせます。
  • 相手の言葉を肯定したり、親切や労わりの言葉を投げかけます。
  • 手を握ったり、肩や腕に優しく、温かいボディータッチをしましょう。
  • 相手の言葉を使って、相手の気持ちに共感します。
    例)相手:「〜ですごく辛かったんです。すごく頑張ったのに!」
      あなた:「そっか、それは辛かったよね。すごく頑張ってたのにね。」

大切なことは、相手の気持ちに寄り添い、相手の立場になって心から共感することです。わざとらしい共感は相手を不快にしてしまいます。

また、共感したままアドバイスをしてはいけません。悩んでいる当人の立場からアドバイスをしても意味がないからです。

相手の気持ちに寄り添って、全身を使って、自然に共感しましょう。

注意点6:言葉でないところに目を向ける

話している人の言葉を聞くことは、聞き上手になるためのほんの一部です。
私たちは、表情、ボディーランゲージ、声のトーンの全てを通してコミュニケーションを取ります。

誰かの話を聞いているときは、それらも注意深く見るようにしましょう。

  • 相手の腕は守備的に交差しているか。
  • 足を開いて自信を持って座っているか。
  • 言葉で「すべては大丈夫」と言いながらも、顔は不安そうではないか。

また、どのような話し方をしているかにも注意を向けましょう。

相手の声は、疲れたように、落ち込んだように、熱狂的に、混乱したように聞こえますか。
ぶつぶつ話したり、必要以上に大声で話したり、聞いている事と違う回答をしていませんか。

人々が言葉を超えて本当に言っていることを読み取る技術を学びましょう。これは、人に対する思いやりと理解を深めるのに非常に役立ちます。

それだけでなく、詐欺的、無関心、またはコントロールしているように見える人との関わりを避けるのに役立ちます。

ただ聞くのではなく、相手が本当に言いたいことを読み取る技術を学びましょう。

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聞き上手になる為の具体的な特訓例
まとめ

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