何度言ってもわからない・直らない・危機感のない人の原因と対処法
同じことを何度言ってもわからない…
先生:「Aくん!廊下走っちゃダメよ!」
Aくん:ピタッ…ダダダダダッ
先生:「Aくんダメって言ったでしょ!」
上司:「Bさん、〇〇商社の資料お昼の会議で使うから用意してくれる?」
Bさん:「あ、わかりました…」
〜 昼休憩 〜
上司:「Bさん、資料の準備できた?」
Bさん:「え?なんの資料ですか?」
- 指示されたことをしっかりとやらない
- 言われたことを必要以上にやってしまう
あなたの周りにも、何回も言っているのに同じようなことを繰り返してしまう人がいませんか。
そして、同じ注意を繰り返すうちにいい加減うんざりするやら、腹がたつやらしてきたのではないでしょうか。
なにより、なぜ!?どうして!?訳がわからない!と感じていると思います。
そんなみなさんのために、”なぜ何度言っても伝わらない・直らないのか”
その理由と、対処方法について紹介しましょう。
何度言っても直らない原因
1.禁止されたことをするのは、”何をしたらいいのかわからない”から
このタイプの人は、”してはいけない”と禁止されると、何をしたらいいのかわからなくなってしまいます。
- 「廊下を走ってはいけません」
- 「心配しないで」
- 「変な想像するな」
このタイプの人たちは、「〜をするな」という禁止の言葉を言われると、まず考えることを一瞬停止させ、自分は何をしてはいけないと言われたのか、何をやめたらいいのかと考えます。
そして考えた後、「いけません・しないで・するな」という禁止から解放された脳は、直前に言われたことを思い出して活動を再開するのです。
直前に言われたこととは、つまり「廊下を走る・心配する・変な想像をする」ということです。
このタイプの人の思考回路
- 「〇〇するな」と禁止される
- 禁止によって思考停止
- 何を禁止されたのか考える
- 禁止されたことがわかる(脳が禁止から解放される)
- 活動を再開(何をしたらいいのかわからない)
- 禁止される直前の”〇〇”を思い出す
- 〇〇を実行する
「〇〇してはいけない」と禁止された後、何をしたらいいかわからないから〇〇してしまう。
いくら説明してもわからない理由
2.人の話を聞けないのは、重要な事だとわかってないから
- どうして欲しいかはっきり伝えた
- 期限も伝えた
- 具体的なやり方を理解しているかもきちんと確認した
ここまでしたのに、締め切りを守らないどころか、約束したことさえもすっかり忘れてしまっている人がいませんか。
こういう人たちに「頼んでいたじゃないか」と言うと、
「その話は覚えています。でも、あれは実際にどうこうしろということじゃないと思ってました。」と言い、(そんなつもりだとは思わなかった)と本気で思っているのです。
原因は、”心ここにあらず”
このタイプの人は、人の話に集中できていない(あなたの話をなんとなく聞いている・話を聞きながら別のことを考えている)ので、内容がほとんど頭の中に入っていなかったりします。
また、その時は理解できていたとしても、自分の中での重要なことにまで落とし込めていないので、時間が経つと他の重要なことに気を取られて忘れてしまいます。
つまり、そのことに対する危機感を感じられていないのです。
いくら細かく説明しても忘れてしまうのは、自分の中で重要なこととして認識できていないから。
頼んでもないことを勝手にする理由
3.言われたことを「指示」だと思ってしまうから
「えっ、そんなことは頼んでないぞ!?」ということをする人がいたなら、その人は相手を喜ばせようと”頼まれてなくても必要以上にしてしまう”タイプの人でしょう。
例えばこのタイプの人に、
「Aくん先月東京に出張だったよね。私も来週でね、13時までに着く新幹線の時間わかるかな?」
と聞くと、あとで新幹線の切符を渡されてしまうことがあります。
こちらは「軽く時間を聞いただけなのに」と言っても、相手は「手配を頼まれたと思いました」と返してくるのです。
「〇〇と言われたと思いました。」と言う人
このような人の行動が空回りしてしまうのは、相手の言葉を深読みしてしまうことが原因だと考えられます。
必要以上にしてしまうのは、相手の言葉を深読みしたり、相手を喜ばせようと張り切ってしまうため。
何度言ってもわからない人への対処法
1.「〜したらダメ」ではなく「するべきこと」を伝えて直させる
思考停止してしまうタイプの人には、「してはいけない」ことをいうのではなく「するべきこと」伝えるようにしましょう。
禁止の言葉は相手に抵抗感を与えるので、「廊下を走ってはいけない」ではなく「廊下は歩きましょう」と伝えるのです。
また、「するな」と禁止の言葉を使ってしまった時は、そのあとに「〇〇しなさい」とあなたが望んでいることを教えてあげましょう。
これで、脳は”〇〇をしたらいいのか”という答えを得られるので、混乱することなく行動することができます。
2-1.ミスによって被る不利益を伝え、危機感を覚えさせる
やらされ仕事だと「失敗しても困らないし」と当事者意識も持てないですが、そういった際にどのように自分事にさせるかが大切です。
行動をすることで現実がどう変わっていくかを考えさせると、危機感を持ちやすくなります。
言い訳をさせない
「〜のせいで」「〜だったから」と言う人には、「ではそれを自分で回避することはできなかったのか?」と聞きましょう。
失敗したら自分の責任になると考えさせるようにします。
結果を見せて危機感を与える
- どのくらい早くできたか
- ミスなくできたか
- 期限通り出来たか
こういった「できた」「できなかった」を目に見える形で見せましょう。
自分の生活が脅かされると感じさせる
- 昇給や昇進がない
- 自分のプラスにはならない
- 怒られる
こういったことを、もはや危機と感じない人たちは沢山います。
こういった人たちには、仕事でだらだらすることでクビになる、この会社が倒産したら次の仕事に就けない状況になるかもしれないと、現状が壊される、あるものが無くなってしまうと考えさせると危機感を感じさせることができます。
危機感というものはこのままでは危ないという感覚なので、「このままいくと今あるものを失ってしまう」と考えさせると危機意識を持たせられます。
2-2.評価を正式な文書で話し合い、自分を客観視させわからせる
口頭で伝えても改善できなかった場合、正式な業務査定のためとしてこれまでの事例を文書に記録し、その文書を交えて話し合いましょう。
文書には、まず相手の達成した項目・成果を残らず書き出します。次に改善を望む行動を並べ、一つ一つについて、それがうまくできていない例・実行されなかった例を3つ程あげていきます。これで公平な話し合いにすることができます。
例などによって改善点が理解できたら、いつまでにどこまで明確な基準を設け、そのために具体的に何ができるようにならなければならないかを相談します。
そして、設定した基準まで改善されなかった場合どうするかを、具体的に話し合いながら相手に意見を求めましょう。
改善されなかった場合の結論を出すのは、相手に責任感を芽生えさせる機会にもなるので、よく考えさせる時間を与え、改めて話し合いの場を設けることにしてもいいでしょう。
客観視させて意見を求める
文書に書き出した記録を提示した上で、当人に自分の行動パターンを総合するとどういう評価になるか。自分があなたの立場だったらどうするか意見を求めます。
視点を変えて自分の行動を見直させることで、行動を改めるべきだと気付かせることができるでしょう。
客観的に見た自分にショックを受け、落ち込む人もいるかと思います。
これまでの行動を変えることも大変なことです。サポートしてあげましょう。
3.話し合いで「こうして欲しい」と伝える
相手を喜ばせようと過剰に行動したり、言葉を深読みするタイプの人とは一度落ち着いて話し合いましょう。
まず、話し合いに入る前には相手のことを褒めてあげます。「よく気配りができて助かっているよ」と
(あなたや人に喜んでもらいたい相手は褒められることでとても喜び、あなたとの話に積極的になるでしょう。)
そして、下記のことを優しく安心させるように伝えましょう。
- これまで他所ではどうだったか知らないが、ここでは相手を必要以上に喜ばせる必要はないこと
- 相手が望んでいることだけをすれば十分なのだということ
- そして、〇〇さんもそうしてかまわないのだということ
- 安心するために、指示を受けたらいつも「13時までの新幹線の時間を調べたらいいんですね?切符はいらないですか?」と確認すること(切符の購入をあなたが忘れていることもあるから)
こうしてくれる方が自分は嬉しいのだと伝えると、このタイプの人はあなたを喜ばせようと積極的に提案を受け入れるでしょう。
注意点
いけないと伝える時には理由を添えて
禁止の言葉を使うことは相手に抵抗を与えるので、「するべきこと」を伝える方がいいでしょう。
しかし、時には明確に、”これはいけない”と伝えなければいけない場面もあると思います。
その時は、いけない理由を合わせて伝えることで心理的な抵抗をなくし、納得させることができます。
危機感は適度に与える
相手に危機感を感じさせようと、相手の負担になるような言動をしてはいけません。
過度・理不尽なストレスは生産性を下げ、新たなミスの原因になるので注意しましょう。
文書への記録は良否をバランスよく書き、公平な話し合いを
文書へ記録する際、改善点のみ列挙したのでは説教だと捉えられ、素直に話し合いができない恐れがあります。
達成した項目を先に見せることで話し合いへの抵抗を和らげ、文書を指示ではなく情報だと受け取るので、できていない・改善すべき点を素直に認められるようになります。
また、例を挙げる時、相手の意見や抗議なども出てくるでしょうから、一方的に告げるのではなく、相手の意見も聞きながら話し合いましょう。
それは、相手だけでなく、あなたが改善すべき点を見つける機会にもなるでしょう。
相手の気持ちを汲んで話し合う
必要以上に相手の期待に応えよう、喜ばせようとしている人は、それまでにそうする必要がある環境で過ごしてきたのかもしれないという前提で話をしましょう。
そして、ここではする必要がないのだということを、あなたが優しく保証してあげ、その言葉を信じていいし、不安なら他の人に確かめてもいいと請け合い、安心させてあげましょう。
まとめ
・何度言ってもわからないのは
禁止されただけでは、するべきことがわからないから
心ここに在らずで、自分にとって重要だと思えてないから
深読みして、「指示」と「情報」の認識がズレるから
同じ失敗を繰り返す人の思考回路をこちらの記事でも詳しく紹介しています。
・対処法
するべきことを伝える
危機感を覚えさせる・文書を使って話し合い、自分を客観視させる
して欲しいことを伝え、確認させる
・注意点
ダメだというなら理由も説明すること
危機感やプレッシャーは適切に
相手を尊重して、対等な話し合いを
相手の気持ちを考えて話し合いを
その人に合った言い方で伝えましょう。
いかがでしたか。
何度言ってもわからないと理解に苦しんでいた答えは見つかりましたか。
あなたが伝えたいことを相手がちゃんと理解しているか、集中して聞いているか見極められるだけでも、事態の改善に繋がるでしょう。
相手が話に意識を向けていなかったり、不満を抱いているままでは、あなたの話はほとんど心に届かずに終わってしまうからです。
不満や悩み事があると分かれば、原因を探ったり、いっそ直接聞いてみてもいいかもしれません。
相手に「こうしてほしい」ということがあるのなら、1から10まで世話を焼くまでなくとも、どうしたらそうできるのか、一緒に考えてあげることはできませんか。
他人に「こうしてほしい」と望んでいるあなたにも、その責任はあるのですから。
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