人間関係の悩みを解決するための考え方|問題を整理して分析する【相談者Y様】
本記事は、「言ったことが改善されない」というご相談への返答記事であり、3部構成の第3部です。
※本記事を読む前に、第1部・第2部を先に読まれることを強くオススメします。
さて、ここでもう一度相談内容を確認しましょう。
第1部、第2部ではそれぞれ、問題を感じている「自分のこと」、問題だと感じている「相手のこと」について考えてきました。
最後に考えるのは、自分(Sさん)と相手(Kさん)との関係性についてです。
- 1.相手の行動に対して問題を感じている
- 2.「相手にこうなってほしい」という自分の気持ちで、相手に『どこまで求めるか・どれだけ付き合えるか』
- 3.なぜ改善されないのか
- 4.お互いをどう見ているのか
- 5.どうすれば相手が変わるのかわからない
関係性に対する「お互いの価値観」
こうしてほしいと言う側に発言力が無い場合どうすれば良いのでしょうか。恐らくですが、謝れば許される相手と認識されています。
お二人の関係はどういったものでしょうか。
恋人・友人・家族・上司と部下・同僚
いずれの関係にせよ、関係性が構築されているということは、
お互いが「その関係性の相手に何を求めるか、またはその関係性がどうあるべきか」という価値観を少なからず持っているのではないでしょうか。
この”関係性”に対しての自分の、そして相手の価値観を正確に認識しましょう。
この価値観がズレていると、お互いに対する不満や衝突、噛み合わない原因になってしまいます。
お互いがどう見ているか、人間関係を分析する
恐らくですが、謝れば許される相手と認識されています。
相手の行動も一般的に礼節を欠くとされるものばかりなので、正す意味でもどうにかしたいのです。
今までは、こういう理由であなたに冷たい態度を取ると事前告知してきたので、今回は何も言わずに気付きを促したいのですが…
現在まで同じ時間を過ごしてきた経験から、人は「相手に対する印象・相手から見られているであろう自分の印象」を持つようになります。
しかし、その認識が正しいかというとそうとも限りません。
なぜなら、自分の知っている等身大の相手に加えて、自分の知らない一面があったり、相手への期待・不安・愛情・絆などのフィルターを通して相手を見るからです。
相手から見た自分の印象もまた同じです。
- 軽く見られていると思っていたけど、実は恐がられていたり
- 失礼な行動だと思っていたけど、本人は心を許しているつもりであったり、仲良くなるためのコミュニケーション方法だと思っていたり
自分の思ってもみない認識でいる可能性もあります。
ここで一度、自分がどう見えた、どう思ったではなく、ただ事実として自分と相手の言動をノートに書き出してみましょう。
書き出すことができたら、この最初に自分自身について書き出したことと比べて見てください。
この認識のもと、改めて自分がどうしてその問題を解決したいのか考えてみてください。 自分(Sさん)は相手(Kさん)にどう見られていて、どんな状況で、なにをされて、どう感じたのか。 相手(Kさん)をどう見ているなどをノートに書き出して思考を”見える化”しましょう。 これでポイントがボヤけず、忘れずに問題をわかりやすく整理することができます。
自分の認識と、事実だけの言動との間にある差が、あなたの囚われているバイアス(思い込み)だと言えます。
繰り返しますが、相手から見た自分の印象もまた同じです。
この認識のズレが、またしてもお互いに対する不満や衝突、噛み合わない原因になってしまいます。
- お互いをどう見ているのか
事実と感情を切り離して考えてみましょう。
どんな状況で問題行動をとるのか、悩みの問題を分析する
- 周りの環境はどうか(場所、人数、立場、時間など)
- なにがきっかけでその行動をとるのか(相手か、あなたの言動か、その他の何・誰か)
- その行動を取る・取らない場合、Kさんの行動・状況がどう変わるか
- その行動をとった場合のKさんとSさん、それぞれのメリット、デメリット
- その行動をとらなかった場合のSさんとKさん、それぞれのメリット、デメリット
これらの項目を一つずつ思い出し、考えながら、ただ事実としてノートに書き出してみましょう。
また、Kさんにとって「その問題行動を変えるために、または変えた先に生じることが不利益・ストレスである場合」、Kさんは行動を変えることに前向きになれません。 同じように多くのエネルギーを必要とするでしょう。 ここでは、”後者の不利益・ストレスがなんなのか”、”どうすれば取り除く、または行動を変えられるまで軽くすることができるのか”を考えることが重要です。
この状況を整理することは、”不利益・ストレスの特定”、”その排除”にも繋がります。
先に出していた答えの「不利益・ストレス」と、今回出した状況の分析が”どこまで繋がっているか”、そして”どこがどうして繋がっていないか”を再分析して、より正確な解答を導き出しましょう。
恐らくですが、謝れば許される相手と認識されています。
私が今回この相談内容からSさんの状況や考え、気持ちを推測することしかできないように、Kさんの考えや気持ちもKさんにしかわかりません。
すでに「Kさんはこう思っているだろう」というバイアス(思い込み)にかかっている可能性もあります。
推測を立てることは大切ですが、それに囚われることのないよう注意しましょう。
もし何かしらはっきりさせる必要があるなら、思い切って相手に聞いてみることも時には必要です。
人間関係の悩みを解決する方法を考える
お疲れ様でした。
これで、「自分・相手・二人の関係性」についての分析と整理が終わりました。
取り組んできた中で、なにか新しい気づきや変化はあったでしょうか。
問題について新しい認識が加わったところで、解決方法を改めて考えてみます。
- 二人がどうなると解決するのか【ゴールの設定】(どうなればゴールなのか)
- どういう方法なら納得するのか【二人に適した条件の設定】(威圧・説得・話し合い・放置など)
- 解決のためにどこまでできるのか【それぞれの限界の設定】(どれだけ時間を割けるか、一緒に考えられるか、アプローチできるか、自分がどんな状態の時にどこまでできるかなど)
- どうしたら解決できるか【プランの作成】(何がそうさせているのか、どうすればそうしなくなるのか、ノートを見ながら)
- どうすれば相手が変わるのかわからない
分析した結果などを見ながら、じっくり考えてみましょう。
まとめ
今回の相談では、詳しい状況などがわからなかったため、「問題への取り組み方」をテーマにして返答記事を返させて頂きました。
Sさんのケースのように、人と人との間で問題が起きた時というのは、関係を一歩進めるタイミングなのかもしれません。
その人と向き合った結果、絆が深まるのか、または悪化してしまうのかはお二人次第です。
ですが、たとえどんな結果になろうとも、問題を解決しようと努力したあなたの行動は決して無駄ではなく、あなたの糧になるはずです。
あなたの勇気に敬意を表します。
頑張ってください。
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