部下のストレスサインを見抜く「仕草の心理」とは?頼れる上司の秘訣
部下は上司を支えてくれる大切な存在です。
精力的に仕事をしてもらうには、何に喜び、何に苦しむかを理解しなくてはなりません。
近年働き方改革で注目されているとおり、ストレスマネジメントも上司の大切な仕事となりつつあります。
とはいえ、部下が何にストレスを感じているか知るのは非常に難しいのも事実。
その反面、難しいからこそ部下の気持ちに理解を示せる上司への信頼は非常に厚いものとなるでしょう。
そこで今回は、部下のストレスサインを察知するために役立つ「なだめ行動」について紹介します。
ストレスを表す仕草「なだめ行動」
人は不快感や不安感などのストレスを感じると、体の一部を無意識的に触ろうとします。
体の一部を触ることでストレスを緩和させようとしているのだと考えられています。
まるで自分をなだめようとしているようなしぐさから、これを「なだめ行動」と言います。
部下のストレスサインに気づいて頼れる上司に
日常的な会話から部下がストレスを感じているかどうか見抜くのは至難の業です。
たとえば上司であるあなたが、
「調子はどうだ?」「順調か?」
と仕事中に部下に尋ねてみても、
「全然だめです」「もう仕事はしたくありません」
といった返事をもらうことはまずないでしょう。
「はい、順調です!」「問題ありません」
と上司ウケの良い言葉を選ぶ可能性の方がよっぽど大きいと思います。
特に上下関係が伴う社内の会話では、発言がそのまま気持ちを表すことはまれです。
一方、無意識的・反射的な振る舞いは、脳内の理性を司る部分ではなく本能的な部分から発せられます。
したがって、言葉よりもよっぽど正直な気持ちが表れやすいのです。
その正直な気持ちの中でも、不安感や不快感を表すのが「なだめ行動」です。
しぐさに注目してその意味を理解すれば、より部下の気持ちに寄り添うことができるでしょう。
ストレスサイン「なだめ行動」の具体例
なだめ行動の具体的な例をご紹介します。
もちろん仕事では少なからずストレスを感じるものです。
これからご紹介するなだめ行動が出たからといって、必ずしも部下のメンタルに重大な危機が訪れているというわけではありません。
しかし、頻繁かつ多岐にわたるなだめ行動が見受けられる場合は、職場環境や上司とのやり取りに過剰なストレスを感じている可能性が高いです。
そのような部下に対しては、ひときわ慎重な対応をした方が良いでしょう。
仕草の心理①ひたいを触る
ひたいに触れるのは、代表的ななだめ行動の1つです。
顔が下に向いていたり明らかに表情が苦しそうだったりするので、比較的わかりやすいのが特徴です。
一方、少しわかりにくいものにほおを触るというものもあります。
こちらは一瞬の振る舞いであることが多いため、注意深く見ていないと気づきにくいかもしれません。
仕草の心理②首の後ろに手を当てる
比較的、男性に多いなだめ行動で、仕事に不満を感じる時に出やすいのが特徴です。
この行動が多い部下には、愚痴を聞いてあげる機会を持つと良いでしょう。
仕草の心理③のど元に手を当てる
プレゼン前などナーバスになっている時に出やすいなだめ行動です。
のど元は人体の急所ですので、ここを守ることで安心感を得ようとします。
どちらかと言えば女性に多いしぐさです。
仕草の心理④衣服を触る
男性ならネクタイの結び目を、女性ならネックレスを触るといった行動もなだめ行動の可能性があります。
しきりに気にしているようなしぐさを見せる時は、不安や緊張を感じている可能性があります。
一声かけてあげるとストレスを緩和させてあげられるかもしれませんね。
ストレスサインか単なる癖かの違いに注意
なだめ行動を見極める際に注意しておきたいのが、そのしぐさが元々その人の癖かもしれないということです。
もし癖だった場合は、その行動に不快感や不安の意味合いは薄いでしょう。
なだめ行動か癖を見極めるためには、普段の振る舞いをしっかり確認しておくことが大切です。
もし、親しい同僚と話しているとき、あるいは休憩しているときになだめ行動のような振る舞いをしていた場合。
これはストレスによるものではなく、癖である可能性が高いと考えられます。
相手を知るには、まずよく観察すること。基本的なことですが大切な心がけですね。
頼れる上司になる秘訣
以上、部下のストレスサインを見抜くための「仕草の心理」についてご説明しました。
なだめ行動を上手に活用するには、本当になだめ行動かどうかを普段の生活から推察することが大切です。
また、なだめ行動が出たからといって「本当のことを言っているのか」などと直接指摘するのもNG。
一層ストレスがかかってしまう可能性があります。
「なだめ行動」は、あくまで接し方を切り替えるためのヒントとして捉え、部下の気持ちに寄り添う方法を第一に考えるようにしましょう。
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