商品販売・プレゼンではわかりやすい欠点・デメリットを紹介せよ
それではこれから
この商品(記事)のプレゼン(紹介)を始めます
この記事では、自分の意見や商品を受け入れさせるための”欠点・デメリットのコツ”を紹介しています。
この記事を応用することで、商品の売上やプレゼンの説得力をあげることができるでしょう。
また、相手からの信頼を得ることも、リピーターを増やすこともできるかもしれません。
しかし、この記事には「原稿用紙9枚分の文量」という
欠点・デメリットがあります
このデメリットの対策として、要点を絞ってわかりやすく書いています。
これで、それほど読み疲れせず読んでいただけると思います。
また、読み疲れた、時間が惜しいという方のために、記事の最後に要点をまとめたものを用意したので、そこを見るだけでもポイントをつかむことができます。
それでは記事を始めます。
商品販売・プレゼンテーションに欠点・デメリットは必要か?
結論から言えば、欠点・デメリットは必要です。
なぜなら、人はデメリットがあることで、好感や信頼、安心感や満足感を感じるからです。
また、デメリットは伝え方によって得られる効果が変わってきます。
そこで次に、2つの伝え方と、それぞれで得られる効果を紹介していきます。
1.聞かれる前に欠点・デメリットを紹介するメリット
相手を説得する側の心理としては、デメリットの話をせずに済むなら最後までしたくないことでしょう。
しかし、相手に聞かれる前に自分からデメリットを伝えることには多くの利点があるのです。
それは、
- 「あなたへの信頼の獲得」
- 「商品への好感の獲得」
- 「リピート率の向上」
1.誠実な対応に「好意の返報性」
- 好意の返報性−人間には、相手の気持ちには同様の気持ちを返す傾向があり、これを”返報性の原理”と言います。そして、その中でも好意に対して好意で返すことを「好意の返報性」と言います。
「あなたへの信頼の獲得」は、デメリットを教えてくれたあなたの誠実さに好意の返報性が働いた結果です。
2.メリット・デメリットの「両面提示」による「熟知性の原則」
- 両面提示−ある事柄の長所と短所の両方を提示すること。信頼や好感を得るためには欠かせない手法。
- 熟知性の原則−ある事柄の内面を知れば知るほど、その対象に対して好感を持つようになる心理。
「商品への好感の獲得」は、両面提示によって商品のメリットとデメリットを知り、商品に詳しくなることで熟知性の原則が働いた結果です。
3.後から知る欠点に耐性をつける「接種理論」
- 接種理論−ある事柄の軽微な反対意見を予め伝えることで、後から言われる反対意見に免疫を持つようになる。(病気の予防接種のような原理)
「リピート率の向上」は、事前に伝えられたデメリットによる接種理論の効果により、後から聞いた風評や、購入後に気づいた欠点に対して耐性がついているので、販売側や商品に対する悪感情が生まれにくいことの結果です。
欠点・デメリットを伝える際の注意点
欠点・デメリットを補い、打ち消す
デメリットを伝えた後に他の話をすると、デメリットがそのまま”不安材料”になってしまいます。
なので、デメリットを伝えた後は、その解決策や、それを打ち消すほどのメリットを伝えましょう。
(例)
解決策:「ただ、この商品は××(デメリット)なので、その時は〇〇(解決策)で解決できます。」
メリット:「この案では、××の場合効果が薄いですが、それが気にならない程〇〇と〇〇に優れています。」
欠点・デメリットを話す時は、初頭効果・親近効果に注意
- 初頭効果−「人の第一印象」や「話し始めの内容」など、物事の最初の部分は印象に残りやすく強く影響を与える心理効果。(関心の低い事柄に有効)
- 親近効果−最後に与えられた情報がその事柄の印象を決定しやすい心理効果。(関心の高い事柄に有効)
商品紹介の始め、または最後にデメリットを伝えてしまうと、この初頭効果・親近効果の心理効果によって悪いイメージが残ってしまいます。
なので、デメリットは話の中程で伝えるようにしましょう。
マイケル・カミンズ准教授の広告調査
ボールペンの特性を書いた2つの広告についてアンケートをとった。
- ボールペンの長所のみを5つ並べた広告
- 1の広告に”2つの短所”を加えた広告
アンケートの結果、短所を書いた広告の方が5倍も好感度が高かった。
『マイケル・カミンズ准教授の広告調査から』
2.企画・プレゼンではわかりやすい欠点・デメリットを用意する
企画やプレゼンを成功させたい際には、人の評価を受ける内容にわかりやすい欠点を用意することで、プレゼン全体の評価が甘くなります。
これは、人はわかりやすい欠点があると、どうしても他よりその欠点に意識がいってしまうためです。
(例)
例えば、若者を集めるためのレクリエーションイベントを企画するときに、「ゲートボールのイベント」という項目を詳細を書かず入れておく。すると、検討する人たちは「ゲートボールのイベント」についてあちこちから質問を浴びせるはずです。
指摘を受け入れて満足させ、評価を甘くさせる
そして、わかりやすい欠点への意見・質問を交えて、「ゲートボールのイベント」について議論した後には、指摘された点に従うように「ゲートボールのイベント」を企画の中から外します。
指摘された意見に従う姿勢を見せることで、相手は「自分の意見が受け入れられた」と満足し、指摘した項目以外への評価が甘くなり、結果的に企画が通りやすくなります。
もし、「この企画は完璧だ!」と意気込んでいたプレゼンで、予期せぬ質問を受け答えられなかったとしたら、せっかくの企画もそれだけでボツになってしまうかもしれません。
そう考えると、わかりやすい”当て馬(欠点)”を用意するのは有効ではないでしょうか。
欠点・デメリットへの質問に正確に答えられるよう注意
指摘しやすい欠点へは当然質問されるでしょう。
この時、質問されたことに正確に回答できるよう、事前にしっかり準備しておきましょう。
たとえ外す予定の項目でも、質問の答えが曖昧だと企画全体の信頼性が弱くなるからです。
要点まとめ
商品販売やプレゼンで欠点・デメリットを用意しておくことで、メリットだけ伝える場合よりも様々な心理効果を得ることができるのです。
1.自分からデメリットを伝える
商品販売では、聞かれる前に自分からデメリットを伝えることで、3つの効果を期待できます。
1.「あなたへの信頼の獲得」−デメリットを教えてくれたあなたの誠実さに対して信頼されます。
2.「商品への好感の獲得」−商品のメリットとデメリットを知り、詳しくなることで商品に好感を抱きます。
3.「リピート率の向上」−事前にデメリットを知ることで、後の風評や、気づいた欠点による販売側や商品に対する悪感情が生まれにくくなります。
※不安要素にしないようデメリットへの解決策やそれ以上のメリットを伝えましょう。
悪印象を避けるためデメリットは話の中程で伝えましょう。
2.わかりやすい欠点を指摘させる
企画やプレゼンでは、わかりやすい欠点を用意しておくことで他への批判を避け、指摘を受け入れることで企画全体の評価を甘くすることが期待できます。
1.「されたくない批判を避ける」−人はわかりやすい欠点があると、どうしても他よりその欠点に意識がいってしまうため、そうした欠点に批判を集中させることで、他への批判を避けられます。
2.「企画を通しやすくする」−わかりやすい欠点に指摘された意見に従う姿勢を見せることで、相手は「自分の意見が受け入れられた」と満足し、指摘した項目以外への評価が甘くなり、結果的に企画が通りやすくなります。
※企画の信頼性を落とさないよう欠点への質問には正確に答えられるよう準備しましょう。
まとめ
欠点・デメリットの使い方はいかがでしたか。
説得する立場としては、悪い要素はできるだけ伝えたくないのが正直なところかと思います。
しかし、伝え方を工夫するだけで多くの効果が期待できるのであれば、一考の余地はあるのではないでしょうか。
誠実を求めるにせよ、利益を求めるにせよ、デメリットを伝えるのは有効な手段です。
特に、デメリットを伝えた上でそれを解消するほどの魅力を伝えることができた時、相手は全身で興味を示してくれます。
上手な伝え方は、ビジネスでの大きな武器になるでしょう。
欠点・デメリットの使い方でした。
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